【映画のはなし】アカデミー賞最多10部門ノミネート「ROMA」のネタバレなし感想【NETFLIX】
楽しみにしていたNETFLIXオリジナル映画「ROMA」が公開されました!
今年のヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞!
2019年ゴールデングローブ賞監督賞・外国映画賞の2部門受賞!
1月22日に発表されたアカデミー賞 は、作品賞、監督賞、主演女優賞(ヤリッツァ・アパリシオ)、助演女優賞(マリーナ・デ・タビラ)の主要4部門に加え、脚本賞、撮影賞、美術賞、音響編集賞、録音賞、外国語映画賞の10部門ノミネート!
監督は「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン。
人類が繁殖能力を失った近未来SF「トゥモローワールド」や「ハリーポッターとアズカバンの囚人」も同監督の作品です。今年アカデミー賞作品賞「シェイプオブウォーター」の監督・ギレルモデルトロの「パンズラビリンス」にも制作として関わっています。
「ハリーポッター」シリーズ、4か5までしか見てないくせに3のアズカバンだけは繰り返し見ちゃうんですよね。
そして今回の「ROMA」。
今までの作品たちとは全く違う雰囲気です。
白黒・全編スペイン語(語も出てくる)・有名俳優の起用なしなどなど。
調べてみると、「トゥモロー・ワールド」や「ゼロ・グラビティ」で撮影を担当したエマニュエル・ルベツキが参加せず、監督本人が撮影したんだとか。素人にはよくわかりませんが。いつも通り長回し多かったです。
ROMA Official Trailer TEASER (2018) Alfonso Cuarón, Netflix Movie HD
この予告が好きすぎる…センスの塊…
あらすじ
政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコ。中流階級の家庭で住み込みの家政婦として働くクレオと、その家族の心の交流を描く。
めっちゃ地味です。
あらすじもどこまでかけばいいのかわからないくらい。何がネタバレで何がネタバレじゃないのか…監督の言うとおり、本当に自分の子ども時代に身の回りで起きたことなんだろうなと思います。実際は3年のできごとを、10か月に変えたとか。
映画の最後、“リボへ” というメッセージがあるんですが、監督から当時家政婦として働いていたであろうリボさんへのラブレター的映画だったんだなあと思います。そう考えると、この何のドラマチックな展開もないストーリーも納得できるというか。映画にするという行為も含めて、一家がクレオのことをどれほど大切に想っていたのかがわかる気がします。だからか、人のとてもプライベートなところをのぞき見してしまったような気持になってしまう不思議な映画でした。
そしてこの映画全体的に、なんか小津安二郎の「東京物語」っぽい。(異論は認めます。)
「東京物語」は日本の家族の形のお話なんですが、これはメキシコのそれじゃないかな。「東京物語」よりもっと家族愛(家政婦含む)色が強いけれど。
あと画面の雰囲気も似てると思います。なんか低い位置からずっと撮ってる感じとか…白黒の画面ですが、「ROMA」はめちゃくちゃ美しいです。光の扱い方なのかなあ。最後の海のシーンなんてもうすんごい綺麗。
心に残ったシーンは、一家のおばあちゃんテレサと家政婦クレオが家具屋に出かけるシところ。それまでほとんど絡みはない二人ですが、あの一連の流れでテレサがクレオのことをどう思ってるかがわかるんです…。あのおばあちゃん素人さんなんだろうか。素晴らしい。
全体を通してあんまり大衆ウケしないだろうなあ~って映画でした。
ということでのNETFLIX公開なのか。
劇場公開前提で撮影されていることを考えると、劇場の音響設備で観ることが大切だったんじゃないかなあ。当時のメキシコの空気感がとても重要だと思うので。
かといって劇場公開だったら見に行くかは微妙なところではある。
そんな感じで【★★★☆☆】の映画でした。